「うちの床は挽き板フローリングだけど、研磨できるの?」「無垢フローリングじゃないと研磨できないって聞いたけど...」。こんな疑問をお持ちの方は多いです。結論から言うと、挽き板フローリングも表面の無垢材が2mm以上あれば研磨できます。この記事では、研磨できる挽き板とできない挽き板の見分け方、費用、判断基準を詳しく解説します。
💡 この記事でわかること
- 挽き板フローリングとは何か
- 研磨できる条件(表面2mm以上)
- 無垢・挽き板・突板・シートの見分け方
- 研磨できない場合の判断基準
- 挽き板フローリングの研磨事例
【結論】挽き板フローリングは研磨できる
まず結論から。挽き板フローリングは、表面の無垢材が2mm以上あれば研磨できます。
ただし、すべての挽き板が研磨できるわけではありません。表面の厚みや床の状態によって、研磨できる場合とできない場合があります。
挽き板フローリングとは?
挽き板の構造
挽き板フローリングは、複合(積層)フローリングの一種です。基材となる合板の上に、2mm〜3mm程度の厚みがある天然木の単板を貼り合わせた構造になっています。
構造(上から順に):
- 表面:天然木の単板(2mm〜3mm)
- 基材:合板
表面に厚みのある天然木を使っているため、見た目や手触りは無垢フローリングとほとんど変わりません。木目の深みや質感、経年変化も無垢材と同様に楽しめます。
挽き板のメリット
無垢フローリングの質感を持ちながら、複合フローリングの安定性を兼ね備えているのが挽き板の魅力です。
メリット:
- 無垢材と同様の質感・手触り
- 反りや伸縮が少ない
- 床暖房に対応しているものが多い
- 施工しやすい
- 傷がついても基材まで達しにくい
挽き板と無垢フローリングの違い
無垢フローリングは、1本の木から切り出した一枚板です。厚みは15mm〜20mm程度あり、表面から内部まですべて同じ木材でできています。
一方、挽き板フローリングは、表面の天然木(2mm〜3mm)と基材の合板が別々の素材です。表面の天然木は無垢材と同じですが、厚みが限られています。
研磨できる挽き板の条件
条件1:表面の無垢材が2mm以上
研磨できる最も重要な条件は、表面の無垢材の厚みが2mm以上あることです。
研磨では表面を0.5mm〜1mm程度削ります。表面の無垢材が2mm以上あれば、研磨しても1mm以上の厚みが残り、美しい仕上がりになります。
表面が1mm以下しかない場合、研磨すると基材(合板)が露出してしまうため、研磨できません。
条件2:過去に研磨していない
挽き板フローリングは、表面の無垢材の厚みに限界があります。
一度研磨すると表面が0.5mm〜1mm程度薄くなるため、2回目以降の研磨は難しくなります。2mm厚の挽き板なら、研磨できるのは1回から2回が限度です。
過去に研磨をしている場合は、残りの厚みを確認する必要があります。
条件3:大きな段差や不陸がない
経年劣化による不陸(床の凹凸)が大きすぎると、研磨ができない場合があります。
1mm以上の段差がある場合、平らにするために多く削る必要があり、表面の無垢材が薄くなりすぎる可能性があります。
不陸が大きい場合は、現地調査で研磨可能かどうかを判断します。
研磨できないフローリングの種類
突板フローリング(研磨不可)
突板フローリングは、表面に0.2mm〜0.5mm程度の薄い木材を貼ったフローリングです。
表面の木材が非常に薄いため、研磨すると基材(合板)が露出してしまいます。突板フローリングは研磨できません。
シートフローリング(研磨不可)
シートフローリングは、表面に木目を印刷した樹脂シートを貼ったフローリングです。
天然木ではなく印刷されたシートなので、研磨すると木目がなくなり、基材が露出します。シートフローリングは絶対に研磨してはいけません。
表面1mm以下の挽き板(研磨不可)
挽き板フローリングでも、表面の無垢材が1mm以下の場合は研磨できません。
研磨すると基材が露出するリスクが高いため、張り替えを検討することをおすすめします。
無垢・挽き板・突板・シートの見分け方
見分け方1:切り口を確認する
最も確実な見分け方は、フローリングの切り口(断面)を確認することです。
無垢フローリング:
- 切り口も表面も同じ木目
- 年輪が見える
- 15mm〜20mmの厚みがある
挽き板フローリング:
- 切り口を見ると、表面と基材が別れている
- 表面は天然木、下は合板
- 表面の木材が2mm〜3mm程度
突板フローリング:
- 表面の木材が非常に薄い(0.2mm〜0.5mm)
- ほぼ合板だけに見える
シートフローリング:
- 表面に薄いシートが貼られている
- 切り口に木目がない

見分け方2:傷を観察する
深い傷がついた部分を観察すると、床材の種類がわかることがあります。
無垢・挽き板:
- 傷の中も同じ木目が見える
- 傷が深くても木材の色
突板・シート:
- 傷の中に別の素材(合板やMDF)が見える
- 表面と中身の色が違う
見分け方3:建築時の図面を確認する
新築やリフォームの際の図面や仕様書があれば、床材の種類が記載されていることがあります。
「無垢フローリング」「挽き板フローリング」「複合フローリング」「シートフローリング」などの記載を確認しましょう。
見分け方がわからない場合
見分け方がわからない場合は、無料現地調査で確認します。床材の写真を送っていただければ、研磨可能かどうかをある程度判断できます。
挽き板フローリングの研磨工程
MUKURICHの施工工程
挽き板フローリングの研磨は、無垢フローリングと同じ工程で行います。
1日目:研磨と下塗り
- 60番、80番、120番の順に段階的に研磨
- 表面の傷・汚れ・古い塗膜を除去
- 下塗り処理
2日目:中塗りとトップコート
- 中塗りで表面を均一に
- トップコート(水性ウレタン塗装)で仕上げ
工期は無垢フローリングと同じく2日で完結します。
挽き板ならではの注意点
挽き板フローリングは、表面の無垢材の厚みに限界があるため、深く削りすぎないよう慎重に作業します。
Bona社製フレキシサンドシステムを使用し、削り具合を確認しながら丁寧に研磨を進めます。
よくある質問
Q:挽き板フローリングは何回まで研磨できますか?
A:表面の無垢材の厚みによりますが、2mm〜3mm厚の挽き板なら1回から2回が限度です。1回の研磨で0.5mm〜1mm程度削るため、2回目以降は基材が露出するリスクが高まります。
Q:うちの床が挽き板かどうかわからないのですが?
A:無料現地調査で確認します。床材の写真を送っていただければ、ある程度判断できます。また、建築時の図面や仕様書があれば、より正確に特定できます。
Q:築15年の挽き板ですが、研磨できますか?
A:築年数だけでは判断できません。重要なのは表面の無垢材の厚みと、過去に研磨したことがあるかどうかです。無料現地調査で床の状態を確認し、研磨可能かどうかを判断します。
Q:挽き板フローリングの研磨費用は無垢と違いますか?
A:基本的に同じです。MUKURICHでは、無垢フローリングも挽き板フローリングも8,800円/㎡(30㎡以上、税込)で施工します。ただし、床の状態によって最適な施工内容が異なる場合があるため、まずは無料現地調査でお見積もりします。
Q:突板フローリングを挽き板と間違えて研磨してしまったらどうなりますか?
A:表面の薄い木材が削れ、基材(合板)が露出してしまいます。取り返しがつかない状態になるため、突板フローリングは絶対に研磨してはいけません。MUKURICHでは、現地調査で床材を確認してから施工するため、このようなトラブルは起こりません。
研磨できない場合の選択肢
張り替え
挽き板フローリングが研磨できない場合は、張り替えが選択肢になります。
既存の床材を剥がして新しいフローリングを張る方法と、既存の床の上に新しいフローリングを重ね張りする方法があります。
上張り(重ね張り)
既存の床の上に薄いフローリングを重ねて張る方法です。床材を剥がす必要がないため、費用と工期を抑えられます。
ただし、床の高さが上がるため、ドアの開閉に支障が出ないか確認が必要です。
部分補修
傷や汚れが一部分だけの場合は、部分補修で対応できることもあります。ただし、全体的な劣化がある場合は、研磨再生や張り替えをおすすめします。
まとめ:挽き板も研磨で新品同様に
挽き板フローリングは、表面の無垢材が2mm以上あれば研磨できます。無垢フローリングと同様に、傷や汚れを削り取って新品同様に再生できます。
ただし、突板フローリングやシートフローリングは研磨できません。表面の木材が薄すぎるため、研磨すると基材が露出してしまいます。
床材の種類がわからない場合や、研磨できるかどうか不安な場合は、まずは無料現地調査で確認しましょう。床材の写真と大きさをお知らせいただければ、概算見積もりも可能です。
この記事の出典・参考情報
本記事で使用したデータは、以下の専門業者の公開情報に基づいています:
- クリーンエクスプレス - 複合フローリングは研磨できる? https://www.ce-sander.com/column/hukugouflooring/
- DIYショップRESTA - 挽き板フローリングの選び方 https://www.diy-shop.jp/second/flooring/sawn-board.html
- ナガイ - 挽板フローリングとは https://www.nagai.co.jp/main/blog_mc/blog_mc_product-info/10856/
- LIFE UP FLOOR - 研磨で無垢材フローリングを再生する方法 https://lifeup-floor.com/column/174/
- MUKURICH公式サイト - 料金案内 https://mukurich.jp/price/
記事作成日:2025年11月17日 執筆・監修:MUKURICH(無垢床リフォーム専門)
愛知県を中心に、無垢フローリングの研磨・再生を専門に行う。16年以上のハウスクリーニング実績を持ち、最新のBona社製フレキシサンドシステムを採用した高品質施工を提供。


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