「無垢フローリングって、オイル塗装とウレタン塗装、どっちがいいの?」
この質問、無垢床を選ぶ人なら誰もが一度は悩むポイントです。
結論から言うと、「メンテナンスの手間を取るか、木の質感を取るか」という選択になります。
この記事では、オイル塗装とウレタン塗装の違いを、メンテナンス頻度・費用・手間・仕上がりの4つの軸で徹底比較します。
※この記事は無垢フローリング・挽き板フローリング専門の内容です。
💡 この記事でわかること
✓ オイル塗装とウレタン塗装の決定的な違い
✓ メンテナンス頻度と年間コストの比較
✓ 日常のお手入れ方法の違い
✓ あなたのライフスタイルに合った塗装の選び方
✓ 研磨再生でウレタンからオイルに変更できるのか
【結論】オイル vs 水性ウレタン|比較表
まず結論から。オイル塗装とウレタン塗装の違いを比較表でまとめました。
| 項目 | オイル塗装 | 水性ウレタン塗装 |
|---|---|---|
| 木の質感 | 木そのもの(サラサラ) | ツルツル |
| メンテナンス頻度 | 年1-2回 | ほぼ不要 |
| 水への強さ | 弱い | 強い |
| 傷の目立ち方 | 馴染む | 白い線傷 |
| DIY補修 | 可能 | 困難(業者依頼) |
| 調湿機能 | 維持 | 弱まる |
| 経年変化 | 味わいが増す | 多少する |
| 初期費用 | 安い | 高い |
| 年間維持費 | 約5,000-10,000円(部分補修) | ほぼ0円 |
差額:メンテナンスの手間 vs 木の質感
オイル塗装は年1-2回のメンテナンスが必要ですが、木の質感と調湿機能を最大限に楽しめます。ウレタン塗装はメンテナンス不要ですが、木の質感は失われます。
オイル塗装とは?特徴とメンテナンス

花梨の床/オイル仕上げ

パイン材/オイル仕上げ
オイル塗装の仕組み
オイル塗装は、植物油(亜麻仁油・ひまわり油・大豆油など)を木材に浸透させる塗装方法です。
表面に塗膜を作らず、木の内部に浸透して保護するため、木の呼吸を妨げません。
オイル塗装のメリット
木の質感がそのまま
表面に塗膜がないため、木本来のサラサラとした手触りを楽しめます。素足で歩いても気持ちいいのが特徴です。
調湿機能が生きる
木が呼吸できるため、湿度が高い日は湿気を吸い、乾燥した日は放出します。ウレタン塗装より快適な室内環境を保てます。
経年変化で味わいが増す
使い込むほど色艶が深まり、「経年劣化」ではなく「経年美化」を楽しめます。
DIYでメンテナンス可能
オイルやワックスはホームセンターで購入でき、自分で塗り直しができます。傷も研磨してオイルを塗れば目立たなくなります。
オイル塗装のデメリット
年1-2回のメンテナンスが必要
オイルは徐々に抜けていくため、定期的な塗り直しが必要です。
水・汚れに弱い
塗膜がないため、水をこぼすとシミになりやすい。すぐに拭き取る必要があります。
耐久性はウレタンより劣る
表面保護が弱いため、傷はつきやすくなります。ただし、傷が馴染むので目立ちにくいのが救いです。
オイル塗装のメンテナンス頻度と費用
日常のお手入れ:
- 乾拭き、または硬く絞った雑巾で水拭き
- 掃除機やホウキでOK
- フロアワイパー(ドライ)は使える
定期メンテナンス:
- キッチン・ダイニング:半年に1回
- その他の部屋:1-2年に1回
メンテナンス費用(20畳・33㎡の場合):
- DIY:年間約5,000-10,000円(オイル・ワックス代)
- 業者依頼:1回約3-5万円
ウレタン塗装とは?特徴とメンテナンス

オーク/水性ウレタン仕上げ

花梨/水性ウレタン仕上げ
ウレタン塗装の仕組み
ウレタン塗装は、ポリウレタン樹脂で木材の表面に薄い膜を作る塗装方法です。
ケーキにチョコレートコーティングをかけるイメージで、表面を硬い塗膜で保護します。
ウレタン塗装のメリット
メンテナンスがほぼ不要
塗膜が長期間効果を持続するため、定期的なワックスがけは不要。日常の掃除だけでOKです。
水・汚れに強い
塗膜が水分の浸透を防ぐため、水をこぼしてもすぐに拭けばシミになりません。キッチンや洗面所に向いています。
耐久性が高い
表面を硬い塗膜で覆うため、傷がつきにくく、長期間美しさを保てます。
水拭きが自由
塗膜があるため、水拭きを頻繁にしても問題ありません。
ウレタン塗装のデメリット
木の質感が失われる
塗膜で覆われるため、木本来のサラサラとした手触りは失われ、ツルツルとした感触になります。
傷が目立つ
傷がつくと白い線傷になり、特に濃い色(ウォルナットなど)では目立ちます。黒い車の洗車傷のようなイメージです。
調湿機能が弱まる
塗膜が木の呼吸を妨げるため、調湿機能は弱まります。
DIY補修が困難
一度塗膜が剥がれると、重ね塗りができません。再塗装には専門業者への依頼が必要で、部分補修も難しいです。
経年劣化していく
オイル塗装と違い、貼った時が一番美しく、その後は劣化していくのみです。
ウレタン塗装のメンテナンス頻度と費用
日常のお手入れ:
- 水拭き・お湯拭きOK
- フロアワイパー(ドライ・ウェット)使用可
- 掃除機でOK
定期メンテナンス:
- 基本的に不要
- 傷が目立ってきたら業者に再塗装依頼
再塗装費用(20畳・33㎡の場合):
- 研磨+ウレタン塗装:約29-35万円(10年に1回)
あなたに合うのはどっち?選び方ガイド
オイル塗装がおすすめな人
☑ 木の質感・手触りを最大限楽しみたい
☑ 調湿機能を活かして快適に暮らしたい
☑ 経年変化の味わいを楽しみたい
☑ 年1-2回のメンテナンスができる
☑ DIYが好き・自分で手入れしたい
☑ 素足で歩くことが多い(リビング・寝室)
ウレタン塗装がおすすめな人
☑ メンテナンスの手間を最小限にしたい
☑ 共働きで忙しい
☑ 小さい子供がいて水をこぼすことが多い
☑ キッチン・洗面所など水回りに使いたい
☑ 傷をつけたくない
☑ 木の質感より耐久性を重視
よくある質問
Q:今ウレタン塗装ですが、オイル塗装に変更できますか?
A:はい、可能です。ただし、表面のウレタン塗膜を研磨で完全に除去する必要があります。MUKIRICHでは、研磨再生でウレタン塗装を剥がし、オイル塗装または水性ウレタン塗装に変更できます。
Q:オイルとウレタン、どちらが長持ちしますか?
A:適切なメンテナンスをすれば、どちらも長持ちします。オイル塗装は年1-2回のメンテナンスで半永久的に使えます。ウレタン塗装はメンテナンス不要ですが、5-10年で研磨再生が必要になります。
Q:オイル塗装のメンテナンスは本当に大変ですか?
A:いいえ、思ったより簡単です。年1-2回、オイルまたはワックスを塗るだけ。慣れれば20畳で2-3時間程度で完了します。
Q:ウレタン塗装の上からオイルは塗れますか?
A:塗れません。ウレタン塗膜がある状態では、オイルは浸透しません。オイル塗装に変更したい場合は、研磨で塗膜を除去する必要があります。
研磨再生で塗装を変更する
ウレタン塗装からオイル塗装へ
「ウレタン塗装の床だけど、やっぱり木の質感を楽しみたい」という方は、研磨再生でオイル塗装に変更できます。
工程:
- ウレタン塗膜を研磨で完全除去(60番→80番→120番)
- オイルで仕上げ
オイル塗装からウレタン塗装へ
「オイル塗装のメンテナンスが面倒になった」という方は、ウレタン塗装に変更できます。
工程:
- 既存のオイル・ワックスを研磨で除去
- 水性ウレタン塗装3層で仕上げ
まとめ:メンテナンスの手間 vs 木の質感
無垢フローリングのオイル塗装とウレタン塗装、どちらを選ぶかは「何を優先するか」で決まります。
オイル塗装:
- 年1-2回のメンテナンスが必要
- 木の質感と調湿機能を最大限楽しめる
- 経年変化で味わいが増す
ウレタン塗装:
- メンテナンスほぼ不要
- 水・汚れに強い
- 木の質感は失われる
迷ったら、まず無料現地調査を。
MUKURICHでは、現在の床の状態を確認し、最適な塗装方法をご提案します。研磨再生で塗装を変更することも可能です。
この記事の出典・参考情報
本記事で使用したデータは、以下の専門業者の公開情報に基づいています:
- 柏田木材 - オイル塗装の基礎知識
https://kashida-m.co.jp/column/202408_01/ - フローリング専門店 - ウレタン塗装の基礎知識
https://daityu.shop/column/urethane.html - 恩加島木材 - ウレタン塗装とオイル塗装の違い
https://www.okajimawood.co.jp/column/202411_01/ - 無垢フローリング専門店 木魂 - オイル塗装のメンテナンス
https://www.muku-flooring.jp/maintenance/oil.html - 無垢フローリング専門店 木魂 - ウレタン塗装のメンテナンス
https://www.muku-flooring.jp/maintenance/urethane.html - 床研磨 太郎 - 床研磨業者の費用について
https://note.com/yukakenma_/n/n6957fb2251cc - MUKURICH公式サイト - 料金案内
https://mukurich.jp/price/
記事作成日:2025年11月16日
最終更新日:2025年11月16日
執筆・監修:MUKURICH(無垢床リフォーム専門)
愛知県を中心に、無垢フローリングの研磨・再生を専門に行う。16年以上のハウスクリーニング実績を持ち、最新のBona社製フレキシサンドシステムを採用した高品質施工を提供。


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